【対談・前編】愛媛デジ女の活動を振り返る~体験と学びのサポートで見えてきたこと

2021年12月にNPOとして発足した、愛媛デジ女プロジェクト。

初心者向けのデジタルスキル習得サポートや各種セミナーの開催、そして働き方の相談など、幅広い活動を展開してきました。

2022年度、イベントに参加した女性の数は約250人!

今回はデジ女の歩みと今後の展望について、代表の飯野めぐみさんと副代表の石山愛さんに対談していただきます。

まずは前編。これまでの活動状況を振り返ってみましょう!

(敬称略)

これまでの活動についてお二人に語っていただきました!
目次

コロナ禍に始まったデジ女の活動

ー愛媛デジ女プロジェクトとは、女性のデジタルスキル向上や柔軟な働き方に向けた支援、そして生き方を考える拠点づくりを進める団体です。飯野さんは立ち上げ前から、さまざまな活動をされてきたそうですね。

飯野 働き方や生き方にずっと関心があったので、子育て中のママさんが気軽に参加できるイベントを仲間たちと開いてきました。

子どもを育てながら働いたり、ブランクを経て復帰したりする難しさは、その頃からよく話題に上がっていましたね。

ーやがてコロナの影響で、オンラインのコミュニケーションやテレワークが注目され始めました。

全国的には、自由で柔軟な働き方ができるようになったと言われる時期です。

でも、私の身近には「パソコンの使い方がよくわからない」「自宅でできる仕事があるの?」といった声がたくさんあって。

「何かできることはないかな」と考え始めたのが、デジ女の活動の始まりです。

「習得したスキルで働き方の選択肢を増やせたら」と飯野さん

石山 感染が拡大していた時期は時短営業や自粛の要請があって、特に飲食業など対面店舗で働く方々は生活が一変しましたよね。

デジ女が本格スタートする前、ある女性から「パートが1か月休みになって困っている」という相談を実際に受けていたんです。

簡単なHP作成ツールの使い方や、中古パソコンの選び方を伝えているうちに、その方が在宅ワークを始められるまでになって。

お子さんとの時間も確保できるので、とても喜んでもらえました。

「スタートの方法が分かれば選択肢が広がるんだ」とデジタルスキルの可能性を実感した瞬間でしたね。

ー女性の就業率が上がる一方で、出産などの節目に働き方や生き方を見直したいというニーズは依然として高いように思います。

飯野 どうしても家族の状態や自分の体調といった影響を受けがちですからね。

どんな仕事ができるかを考えるとき、失敗や後悔が怖くなったり、自分の決断に自信が持てなかったりという悩みを抱えることもあると思うんです。

そんな時にそっと寄り添い、知識や情報を提供して背中を後押しできる存在になれたらと考えています。

もともと私は、カラーセラピストとして人の内面に深く向き合ってきました。少し迷っている人が「やってみようか」と、一歩踏み出せるような応援をしていきたいですね。   

初心者のデジタルスキル習得をサポート

ー「デジタルスキル」というと、「難しい話?」というイメージを持たれてしまう側面もあります。県内のスクールや職業訓練機関では、WebデザインやITスキルなどの講座が開かれているようです。デジ女プロジェクトで力を入れているのは、どのようなスキルですか?

飯野 私たちがまずサポートしたいのは「マイナスからゼロ」「ゼロからイチ」といった「土台作り」のところです。

「スマホは使っているけれど、パソコンは苦手」「在宅ワークでどんな仕事があるのか知りたい」「何から勉強すればいいの」…こういった悩みが解決できるよう、情報・知識の提供やコミュニティづくりを通して支援できればと思っています。

石山 たとえば、デジタルマーケティングの基礎や各種ツールの使い方を学んでいくと、お店で忙しいスタッフの代わりにSNSを投稿したり、画像を見栄え良く加工したりできるようになります。

ーWebサイトやブログ記事を検索で上位表示させるSEO対策もそうですよね。

飯野 ほかにも、先月もイベントを開催したところなのですが、県内の企業が「いま」必要なスキルの最新情報もお届けしていきますよ。

ーどのような分野でも突き詰めると難しいレベルに行き着くものですが、まずは入り口をサポートしていくということですね。

石山 NPOだからこそ手の届く、きめ細やかな事業なのかもしれませんね。

石山さん「愛媛の企業やお店をサポートしていきたいです」

1年目の活動を振り返って

ーこれまで数多くのイベントが開催されています。特にオンラインとオフラインの両面から学びをサポートする「デジトレ」では、参加者のうち30%を超える人が新しい仕事や働き方にチャレンジしたそうですね。

飯野 まだまだ小さな団体なので試行錯誤の途中ですが、共感してくれる方々と「一緒に成長していきたい」という思いで活動しています。

数多くの出会いの中で、企業や団体の方からも「デジタル化の進め方が分からない」「人手が足りない」といった愛媛ならではの事情を聞くことができました。

愛媛デジ女プロジェクト 2022年度活動紹介

■デジタル技術の習得サポートコミュニティ「デジトレ」運営
3か月×3ターン 参加者数=計43人

■イベント企画・運営
「人生の価値観とは?」 を楽しくワイワイやるオンライン会
夢実現の速度が加速する!ヴィジョンマップワークショップ
初心者さんのためのWordPressお勉強会
夏休み「親子でプログラミング自由研究をしよう!」
SNSお勉強会 ー「見てるだけ」から1歩踏み出そうー
エンジニアの仕事と情報セキュリティについてのお話会
フリーランス女子対談女性の働き方をアップデートする4days  …など計14回

参加者数=計205人

■愛媛県DXリーダー研修 広報リーダー
SNS発信・研修コミュニティ運営など

■愛媛県・未来デジタルキャリア獲得促進事業「愛媛でじたる女子プロジェクト」愛媛事務局
イベント運営サポート・受講者コミュニティ運営

■県内企業のデジタルマーケティング支援
コンテンツ制作・SEO対策など
デジ女が発足して一期目。2022年度の活動実績です。

石山 一例として紹介すると、オーガニックコットンの布ナプキン等を製造する松山市の企業からは、デジ女プロジェクトに商品記事のSEO対策をご依頼いただきました。

キーワードを羅列するような一昔前の検索対策ではなく、女性だからこそ実感する商品の良さを丁寧に執筆できたと思います。

ユーザーの検索意図にぴったり沿う記事となったことで、検索されやすくなったととても喜んでいただきました。

ー現在デジ女で積み上げている活動は、県内ビジネスのニーズに直結しているということですね。

石山 県内には「SNSやデジタルツールを活用したい」と思っている企業やお店がたくさんあります。ただ、人材育成・費用・時間・運用といった課題を避けて通れず、なかなか手が届ききらないという現状のようです。

ーデジタル化に直面した企業と、働き方を模索する女性。これらをつなぐデジ女の立ち位置が見えてきました。後半では、今後の取り組みについて伺っていきます!

PHOTO:eco_cilele
動画・写真・イラスト制作等の傍ら、被写体としても活動中。精神保健福祉士。

●後編はこちら!

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この記事を書いた人

2020年からWebライターとして活動。デジトレ3期卒業を機に、STORESへ出店しました!

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